「タコピーの原罪」タイザン5|無垢な宇宙人・タコピーがハッピーのため奮闘する残酷な物語
Twitter上でなにやらバズっていたのは知っていた。
王様のブランチなど、テレビの漫画コーナーでも度々取り上げられているのを見た。
「そのうち気が向いたら読んでみようかな」
と思っていたが、やがて記憶から忘れ去られ、読む機会は訪れることなく何ヶ月も経った。
それが先日、何かの漫画を調べていた時に本作の『試し読み』を目にしたことで、気になって読み始めた。
衝撃的で先が気になる展開にすっかりハマり、あっという間に最終話まで読み終えてしまった。
「タコピーの原罪」のあらすじ
地球にハッピーを広めるため降り立ったハッピー星人・タコピー。助けてくれた少女・しずかの笑顔を取り戻すため奔走するが、少女を取り巻く環境は壮絶。無垢なタコピーには想像がつかないものだった。ただ笑って欲しかったタコピーが犯す罪とは…!?
「タコピーの原罪」を読んだ感想
無垢なタコピーは懸命にしずかちゃんを笑顔にしようと奮闘する。
読み手には伝わるしずかちゃんの過酷な環境が、タコピーには分からないのがもどかしい。
絵が可愛くて惹き込まれる。事前情報をあまり持っていなかったので、「ああ、イジメられている話なのか~辛いなぁ」と思いつつも気を抜いて読んでいたら、一瞬で突き落とされた。ゾクッとした。
途中でページをめくるのがちょっと怖くなった。タコピーの純粋さと鬱展開の対比がすごかった。
こちらが善でこちらが悪・・・なんて割り切れなくて、見え方によって逆転するから難しいよね。ただ、全話通して言えることは、大人たちはどこまでもクソだった。そのせいで子供が振り回されるのは気の毒だ。
個人的に東くんとお兄ちゃんのエピソードで泣きかけた。弱いんだよ、ああいうの。
最終話は賛否両論あるようで。私も最初は記憶の部分とその後の流れ(スムーズすぎないか?)に少し引っかかっていたけど、考察を見た時にスッと納得できた。
吐き出すこと、共有できること、孤独じゃないと知れることで、救われることはきっとある。